本当は超難しいプロムナード
「展覧会の絵」といえば、プロムナードでしょう。プロムナードだけ有名だという話も・・・
展覧会の絵は難曲として知られていますが、プロムナードだけ聴くと、最初の方だけだったら自分でも演奏できそうな気がしてきます。
ところが、別に速くもないのですが、メロディーをどう捉えて良いのかわかりにくいです。
「弁慶がな、ギナタを持って・・・」
譜面を買って来るまで、私はてっきりこう読んでました。

「最初の1拍は休符だ。なんて画期的なんだ。ただ、途中で割り切れなくなるから変拍子で書いているのか、或いは拍子のマジックで同じ音型での表拍裏拍逆転の技を使っているのか?」
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考え過ぎでした。

冒頭のフレーズは、(譜面買って来て初めてわかった)拍子の指定から、上の図のように4楽節で読むのが妥当なのかな、と思います。一般的な「3+2=5拍子」→「3+3=6拍子」で読めます。
(1)「いち、にー、さん」
(2)「いち、にー」
(3)「いち、にー、さん」
(4)「いち、にー、さん」
こんな要領で・・・(2)の変拍子は譜面にすると難しいですが、テンポ速めにして(1)〜(4)をフラメンコでも踊る感じで想像してみると、意外と気持ち良いかもしれません。短く詰まった(2)「2拍目重視」から、その力の反動での(3)はもっと重視されます。
図の「K」は「コサック」で、ロシア系の「裏拍重視」が感じられる場面です。
同じ裏拍でも、左側の「K」は1音、右側の「K」は2つの音で、どちらもテンションは同じです。左側の1音の力を右側の2音で分け合う感じで。
カラヤン最後の来日の演奏で冒頭のトランペットが外していますが(3分半後ぐらい)、たぶん、(2)最後の実音Dを解放で吹いて、その次の(3)最初のCを下の倍音で吹き直そうとして、「コサックの裏拍」と「流れ上の表拍」の使い分けを意識した関係で、この何でもない音型を外してしまった・・・が真相かもしれません。
↑
(4/22追記)実際に管楽器(フルート)で試してみると、フレーズ全体の中で、(2)からクレッシェンドをかけ始め、(3)最初のCをピークに狙うようにすると、プレイヤー的に満足感(曲を吹いている感じ)が得られるようです。上の演奏のトランペット奏者はきっと「気持ち良く吹いていた」のだと思います。それで、つい力が入って外しちゃった?
下のはイマイチ(?)な例。

「ソーラン節」です。
これを避けたいために、「4+4+3」でも割り切れるのに、ムソルグスキーは「5+6」で書いたのだと思います。スラーが付いていてフレーズを指定しているし。
ソーラン節は北海道民謡。同じ北方系のロシア人にも同じリズム感があるのかもしれません。それと区別するために、あえてスラーや変拍子を書き、拍の表裏を指定したのだと考えられます。拍の表裏とは「五七調」と「七五調」の違いや「わっしょいわっしょい」と「せいやっ、せいやっ」の違いのことで、殆どの民族リズムは表裏両方を使い分けていると思われます。
(中略)

これも、拍の取り方は同じです。
途中の(3)にオクターブの跳躍が出てきますが、高い音は頭拍じゃなくて「コサック」です。

基本的に拍子通りで、「3+3 bar 2+2+2」と考えればOKかと。
下の青点線矢印みたいな捉え方もできるけど、基本的には赤の矢印のフィーリングで、なんとなくアクセント付けたくなる所は「コサックの裏拍」と考えれば良いと思います。

ここは譜面通り。「3+2 bar 3+3」です。

これも譜面通り。「6/4拍子=3/2拍子」の数え方をします。

ここがクライマックスです。
本当はどうなのかはムソルグスキーさんにきいてみないとわからないけど、拍子の書き方とフレーズの具合が違っています。
しかも、途中で「拍感の逆転」が入っていると思います。(A)〜(B)、特に((B)は後半の伏線で、同時に主題の冒頭でもあります。(6)〜(7)の流れと(A)~(B)の流れを同時に感じながらの演奏になりますかね。
その後、(A)~(B)の流れが(9)~(10)の流れで具体化し、
(11)でだめ押しされます。(C)の流れも残ってるかもしれませんが、この場面では目立たないでしょう。

主題です。
変拍子で書かれてませんが、冒頭と同じフレーズの取り方かと。
ムソルグスキーさんが変拍子で書かなかった理由は・・・急いでた?・・・というよりは、前からの流れを重視したかったんでしょうね。なので、(私にできるかはともかく)演奏は冒頭の主題を強調するよりも、(もちろん、主題を覚えてて)流れに乗って音符を弾くのが良いでしょう。
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のっけから「呪文系」のフレーズが出てきて、いきなり強敵です。この編成だと音域が低くなると「素早さ」が低くなり、この手の敵(フレーズ)は倒せないのです。そこで武道家(リズム隊)を使います。低音もエレキベースに持ち替えれば素早く演奏できます。「魔法がダメなら武道家で」はRPGの定跡ですな。短い音は鳴りにくいので、Trombone全員を投入しても良いのかもしれませんが、3小節目からのホルンのゲシュトップ(これもオケ編曲の定番)とのバランスが悪くなるかもしれないので、人数を乙組だけに絞りました。
冒頭は、ラベルやPJBE(プロの金管アンサンブル楽団)の編曲にならって、お約束のトランペットソロで(1小節目など)。

たぶん、参考演奏のGokigen Robot KatoP Bandはこうやっているみたいです。どっちみちベースやピアノなので音は減衰します。さらに、次の音を弾くために構え直す必要があります。
管楽器で自然に吹いてこれを再現すると、左のようになります。減衰まで表現する必要はないような気がします。
そうであれば、これで良いかもしれません。
)最後の音を短くしたい場合は、短い分を音量で稼いで下さい。
イマイチな例。裏拍もしっかり吹いて下さい。
たぶん、参考演奏のGokigen Robot KatoP Bandはこうやっているみたいです。ここは管楽器のメロディーなので、息を吹き込んでテヌート可能です。4拍目裏々に音がないのは、次のフレーズの装飾音を目立たせるためかと思われます。
もしくはこんな感じで、頭を突いた後で故意に引いても構いません。ただし、マルカートじゃなくて、引いた音量を最後まで保つこと!むしろ音の最後にクレシェンドして突き直すぐらいの感じで。
装飾音が蹴散らされるのが若干気になりますが、これもアリです。
もちろん、頭を突いてからすぐに引いても構いません・・・が、ちとわざとらしいか???
最後の音を短くしたい場合は、短い分を音量で稼いで下さい。
イマイチな例。

図1の続きです(アウフタクト重複)。

