吹奏楽の編曲(その7) 実例1「リベルタンゴ-3」
前回、「冒頭から」と書いたけど、やっぱりもう1回全体を行きます。
(なかなか楽譜が出てこないのが難点ですが)
全体の流れなんですが、以下のような感じです。
ある程度の音楽と吹奏楽の知識がないとパニックと思われるため、下の図の楽器の略称を見て意味が分かる人用、ということで、凡例は付けません。

Fig. 1 Time section of orchestration
英語はインチキです。
前回と一部重複しますが、全体のデザインなんですが、以下のように考えて流れを作っています。
1)曲全体を、下図の「重要なリフ」が支配している。
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2)主役はソプラノサックスとピアノ。ただし、他の楽器のイントロがあってから仰々しく登場するのではなく、曲全体で、できるだけ両方を、(休みたいので)少なくともどちらかは、必ず存在感を見せておく。
3)一環した流れを作っておく
・イントロとイントロに挟まれた3コーラスの尺とコードは同じもの。
・B2メロディーの部分は3コーラスとも全く同じ
・スネアドラムが、一部を除いてずっと同じリズムを叩き続ける。
4)ソプラノサックスとピアノの流れ
ソプラノ:「重要なリフ」から、メロディーソロ→アドリブソロを経て、最後に「重要なリフ」に再度戻る。
ピアノ:ソプラノサックスとは違う動きをしながら、活躍する場面を見せながら次第に「重要なリフ」をちらつかせ、最後にソプラノサックスと一緒の「重要なリフ」に落ち着く。
これらに、他の楽器が絡みます。
上の図を見るとわかるように、楽器が多いところと少ないところを使い分けていて、楽器が多くても少なくても、ソプラノサックスかピアノのどちらかがメロディか「重要なリフ」を担当するようにしています。
冒頭(Intro):ソプラノサックスとピアノのみ(サウンドの軸になる楽器を先に見せておく)
練習記号A:最初のメロディーはユーホニウム。理由は、ソプラノサックスと音域、音色とも似てなくて、なおかつ地味目な楽器を選択。伴奏にはベースと打楽器(特にスネアドラム)を追加。ソプラノサックスとピアノは同じ流れを続行。
練習記号Aの17小節目:続いてアルトサックスを追加。ユーホニウムのオクターブ上を吹けて、音色の相性が良い楽器だから。伴奏にはバランスをとって打楽器(クラベス、カスタネット)とフルートを追加。
練習記号B:ここで一気に楽器を追加。ただし、ソプラノサックスをメロディーに残す。ただし、ソロでは支えきれないというか、突然音量が大きくなると不自然なので、相性の良いオーボエとトランペットを、ソプラノサックスが消されない範囲で追加。伴奏にも全ての管楽器を追加して、全体のバランスをとる。ピアノは、周りが大きくなるとサウンドに影響を与えないので、休んでも良いことにした(楽譜にコードは書いてあるけど・・・ピアノも曲全部弾くと疲れるみたいです)。
練習記号Bの9小節目:大部分の楽器が消え、ソプラノサックスが再び目立つようになる。Bでソプラノサックスをメロディーに残した効果で、ソプラノが割り込んだというよりも、周りが消えた印象。
練習記号C:全体合奏に移行。木管のメロディーと金管の伴奏。ここで初めて「重要なリフ」にピアノを投入しつつ、他にバリトン音域の楽器を入れておく(事前にBのところに目立つ場面を設けていて、唐突にならないようにしています)。
練習記号Cの17小節目:ソプラノサックスのソロに転換。ここまでソプラノの流れを作れれば後は何でもありだが、直前までの流れを維持するために、メロディーを吹いていた木管楽器を伴奏に使う。「重要なリフ」はピアノを残し、これも「他の楽器が消えたことによって混ざっていた楽器を目立たせる」作戦である。
練習記号D:さらに編成を薄くして、ピアノのアドリブソロ。ずっと「聞こえる伴奏」をしてきたピアノがここで主役になる。
練習記号E:ソプラノサックスのアドリブソロで、曲のクライマックス。リズムも変えてしまう。
練習記号B2:Bと全く同じ。小品なので、このあたりでこれ以上の展開をやめて、収束に向かわせる。ソプラノサックス(私)、休みたいけど、ピアノも聞こえないし、ここでメロディーを入れないで「疲れた」とやってしまうと、折角「フィーチャーもの以上」を目指して全体合奏のコア部分を担当してきた意味がない。頑張るのみ。
最後のIntro:ずっと込み入ったことをやってきたソプラノサックスとピアノが、やっとここで「重要なリフ」のユニゾンに。チャンチャン♪。ただし、少し伴奏を入れて(ベース、打楽器、フルート)、曲が進んだ後であることを示す。
うーん、音や楽譜がないと非常にわかりづらい・・・
全体を組む時に、音量のバランスと同時に、唐突にならないような流れの展開のさせ方も考えておくと良いと思います。とはいえ、人それぞれかもしれませんし・・・たぶん、楽器の出す出さないの流れを見て、(最初に決めたことや人事などの事情を除いた)必然性を幹事られれば、成功と見てよいのかもしれません。
しかしまぁ、総論ほど役に立たないものはない・・・みたいですね。
というわけで、次は、実際のオーケストレーションを見てみます(次回こそ役に立つかと)。
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