科学的なフルート その3「エッジトーンの音程」
まぁ、必ずしも科学的に考えれば上手くなるわけでもないのですが・・・
とはいえ、折角大学出たのだから、多少は科学的に考えてみます。
フルート吹きとして、最も気になるのは「音量」です。
ただ、音量アップに対するはっきりした答えがわからないので、諦めます。バンドメンバーの皆様ならびに聴衆の皆様も諦めて下さい。スミマセン・・・一生懸命やってるんですがね・・・
ただ、フルートの場合、体力や根性に関係なく、音程と音色を何とかする努力によって、音量も改善すると思われます。
というわけで・・・
フルート吹きとして、あえて言われれば気にならないでもないことの1つに「音程」があります。いや、吹き手本人もホントは凄く気になってるんだけど、「うーむ・・・(考える人)・・・」って感じなのよね。
さて、フルートの発音体「エッジトーン」の音程は、以下の法則があるようです。
Brown(1937)によると、「ジェット速度Uj、およびスリットからエッジまでの距離hとジェット幅dとの比(h/d)であり、これがエッジトーンの周波数fを決定する。また、エッジトーンの強さにも影響を及ぼす。エッジトーンの周波数に関して、下記の経験式(1)が存在する。」だそうです。
f = 0.466*k*(Uj-40.0)*(d/h-0.07) ・・・・(1)式 ※1
上の数式において、「f」は周波数(Hz)、「k」はレイノルズ数、「Uj」はジェットの速度(mm/s)、「d」はジェットの(エッジと垂直方向の)幅、「h」はスリット-エッジ間の距離(mm)です。
レイノルズ数「k」は、1, 2.3, 3.8, 5.4 のどれかです。
※1:参考文献は、上の式の d/h が 1/h で示されてます。実験で d=1mm だったからのようです。
数式苦手な方、スミマセン。簡単に説明します。
式の左辺の「f」は音程です。
奏者がコントロールできる変数は次のやつです。
「Uj」は息の速さで、息を速く、是即ち、強く吹くと音程が上がります。
「d」は口を開けている高さ(アパチャの高さ)で、是即ち、口を開け気味にすると音程が上がり、閉めると(締めると)下がる。
「h」は唇とフルートの距離、是即ち、フルートを内側に回すと音程が上がり、外側に回すと音程が下がります。
「k」は・・・後で考えます。
うーむ・・・何だか実感と違います・・・
強く吹くと音程が上がるのは実感通りですが、口を締めると音程が下がるってのは逆では?これは、口を締めると息が出る断面積が小さくなり、同じ力で吹いた場合、息のスピード「Uj」が上がるためです。
「科学的でも、使えんじゃないか?」という苦情が聞こえてきますが・・・比較的現場で使えるテクニックとして、舌を使わないで響きを残して音を終える時、そっと口を緩めてやると、音が切れる一瞬の音程のぶら下がりを防げます。
次に、フルートを内側に回すと音程が上がり、外側に回すと音程が下がるってのも、逆な気がします。これは・・・後で考えます。
でも一応、「フルートを内側に回すと音程が上がり」を体感する方法があります。フルートを思いっ切り内側に回して、「吹く穴」を唇で思いっ切り塞いで、そおっと吹くと、楽器を内側に回すと音程上がります。お試しあれ。
さてさて、式に数字を代入して遊んでみます。
とりあえず、「d=1mm、H=5mm」で計算してみます。この数字の現実味は・・・まぁ、こんなところでしょう。自分の唇に興味はないし、唇の詳細を測らせてくれる人も今のところいないので、定かではありませんが・・・
この式の適用範囲はマッハ0.004~0.06までが適用範囲とのことなので、適用下限のマッハ0.004の時の周波数80Hzはヘ音記号の下のE♭の音程高いぐらい、適用上限のマッハ0.06の時の周波数2万Hzは、人によっては聞こえるし人によっては超音波、ぐらいの音程です。というわけで、フルートの音域は余裕でカバーできます。
オーケストラのチューニングのA=442Hzを出すには、7.3372m/sの速さの息が必要です。これは風力4に相当し「ちょっと風が強いな」程度なので、このぐらいだったら普通の人間でも吹けるでしょう。
また、肺活量3,000cc(平均か、やや少なめ)の人だと、30秒息が持ちます。これは、実用管楽器の目安(大体30秒ぐらい息が持つはず)の一般的な設計思想とも合い、実感がある数字と言えます。
ですが、「そんなに息が持たない」ですね。
↑筆者も同感です。そして、殆どのアマチュアの本音かと。
ま、要するに下手ってことで・・・でもさ、下手だってことは、フルート吹きとして存在してるってことなのよ。上手い下手以前の問題として、活動を続けるだけで精一杯、存在することに意義がある・・・と居直る前に冷静に考えて、一概に下手とも言えないと思います。
まず、吹奏楽やソロ活動でのフルートは、結局殆どフォルテで吹くことになります。それで、フルートにかける息の量(エネルギー量)を2倍にしても、音量の感覚は倍にはなりません。すると、楽器の設計値の3倍の息の量で航続力10秒とか6倍の息の量で航続力5秒、ぐらいが相場なんじゃないでしょうかね。
それと、重要なのが気柱(楽器)の存在で、発音体は気柱に振動を与えるだけじゃなくて、気柱から振動を受けます。この、気柱の振動をバランス良く返すには、エッジトーンのみよりも多くのエネルギーが要ります。
これらの現象は、他の管楽器にもあります。特に2番目の「気柱とのバランス」は、サックスを吹いてる時の「低音だと息がなくなるのが早い」ことで実感できます。気柱が大きい方が、バランスさせるために多くのエネルギーを消費するからです。フルートで左記の実感がないのは、そもそも気柱が小さいためと、低音域を吹く時に息を緩めるためです。もちろん、フルートも、音量が同じなら高音域の方が息が持ちます。
上記の事情があるので、音楽理論以外の泣き言を言うまでもなく、現場的にしょうがないんですね。
とはいえ、20~30秒ぐらい息を持たせる奏法を身につけておくのも1つなのかもしれません。そんな音量は現場で使えないので優先順位は低いのですが、自分の楽器のポテンシャルを知るための練習としては有効かもしれません。
話を式に戻します。
オーケストラのチューニングのA=442Hzの半音上の吹奏楽のチューニングのB♭に相当する息の速さは7.7656m/sです。つまり、息を5%強めただけで半音変わってしまいます。
これまた、物凄く実感と違うのですが・・・
もちろん、「管楽器は発音体と気柱の振動のバランス」なので、気柱を伴う笛ならこんなに極端なことにはならないはずで、音程の安定とダイナミックレンジの広さを考慮して開発された近代フルートなら、そう神経質になる必要もないと思います。もちろん、こんなナーバスな発音体を使っているので、難しい楽器ではあると思います。また、フルートよりも発音体の寄与率が高い横笛だと、息使いだけでグリッサンドができるみたいです。
文中の「後で考えます」は、次回以降に考えます。
参考文献:Brown, G. , Proceedings of Physical Society, Vol.49,1937
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(途中から)
エッジトーンを発生させるのに必要なのは、左の図のような装置です。
「尖った物体」に「束になった空気の流れ」を当て始めた瞬間、
すると、今度は、圧力が低くなった側に「束になった空気の流れ」が引き寄せられます。
こうして出来た「波」は、空気の束を伝わって戻って行きます。
ところが、戻った先には「壁」があるので、「壁」に跳ね返されて出身地に戻って行きます。
こうして「波」が再び「尖った物体」の先端にが戻った時、











ギャーッす!

海戦は敗北したけど、海鮮はゲットです。
(途中から)

